先日、お電話でのお問い合わせがありました。

「綿のコートのシミを取ろうとして部分処理したら白っぽくなったので色落ちしたのかも・・・何とかなりますか?」ということで。
ご来店して頂いて、現物を拝見させて頂きました。

綿ベージュのスプリングコートです。

左ポケット部分付近にシミがありその周囲が白くなっています。
見る限り色が抜けている感じではなくて、何か覆い被さっているような感じに見えます。
(毛羽立ちや染料の脱落、洗剤分の残留などではなさそうです。)
色々とお客様にお伺いしていると「白物洗い用の洗剤を使った」という事が分かりました。

(普段はオシャレ着洗い用を使われるそうですが・・・切らしていてついつい・・・。)
・・・とすると・・・。
試しにブラックライトを当ててみますと・・・

分かり難いですが、反応しています。
という事は蛍光増白剤の付着です。

お客様も「うゎぁ、ホント!」って感じでビックリされていました。
目の前で見ていただくと、やっぱりインパクトがありますね。
蛍光増白効果を打ち消す薬剤もありますので(全てに効果があるかは定かではありませんが)、修正させていただく事でお預かりさせて頂きました。


ほとんど分からないくらいに修正する事が出来ました。
でも、残念ながら取ろうとしたシミは除去出来ません。
というのも、蛍光増白剤は一種の染料です。
シミの上から染めてしまったような状態になっているんです。

蛍光増白剤は紫外線を利用して白さを際立たせる効果があります。
(黄ばみの原因を取り除き白くする漂白処理と違い、蛍光増白剤は黄ばみを光の作用によってごまかすものです。)
ただ、使用方法や衣類の色合いの選択を誤るとトラブルの元になりますよ。
詳しくは洗剤の裏面などに記載されている注意事項を良くお読みになってくださいね。
ちなみに、当店では蛍光増白剤を含んだ洗剤は使用しておりません。

(白物は漂白剤を使って白度向上させています。)
水処理したのでアイロン手仕上げでプレスをして完成です。

フェミニンで優しいシルエットなので、雰囲気を壊さないように仕上げました。
ご家庭で水洗いされるとアイロンがけは結構大変だと思います・・・よ。

(衿の端を丸みを帯びさせたり、袖口を押さえないようにしないといけませんしね。)
使用される洗剤は用途に応じて選んでくださいね。

(蛍光剤が含まれている洗剤は白物だけに使用してください。)
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みさきさんのコメント
以前は・・・
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