裏地のお話

衣類の裏地に使われる素材と言えば、「ポリエステル」や「キュプラ」が主流でしょうか。
(「綿」や「アセテート」もありますが)

「レーヨン」を使われている場合もあったり・・・これは非常に辛い。
だって・・・水洗いすると収縮してしまいますから。
レーヨンの収縮は繊維の構造上の特性でもありますので、避ける事は出来ません。
予めご了承しておいて頂かないと後でエライ目に合います。

裏地の着用感や高級感を考えると軍配が上がるのは「キュプラ」になります。
しなやかさと光沢感、それに袖通しが良いですからね。

ポリエステルでも、その領域に近づけようとされているのか新合繊という極細繊維を使用しているのであろう生地を見受けられますが・・・やっぱり手触りや艶っぽさに欠けてしまうように思います。
(取扱いのしやすさでいえばポリエステルなんですけどね・・・)

ただ、「キュプラ」は水に対して非常に影響を受けやすい繊維でして・・・。
水洗い(ウエットクリーニング)処理をすると収縮してしまいます。

レーヨンと同じ性質なのですが、レーヨンほどの収縮度合いではないようです。
(使用されている繊維素の違いや、繊維内部構造の違いによるものではないでしょうか)

ただ、元の状態に復元する為には結構手間がかかるんです。


「キュプラ」は非常にデリケートな繊維です。


湿潤時(水に濡れた状態)での繊維の強度は弱くなります。

また非常に滑らかな繊維という事と裏地に使われている繊維はフィラメント(長い繊維)ですので生地組織間を移動しやすい為、引張を加えた状態を繰り返したり長期間行うと組織が崩れてしまって型崩れが起こる可能性があります。

それに、縫い目から糸抜けが起こってしまう事もあり寿命が短くなってしまう事もあるようです。


それらの事を考えると、裏地だからと言って簡単に処理出来ない繊維である事に間違いはありません。


ですので、当店ではキュプラ(裏地)の処理は手アイロンでじっくりと伸ばしていきます。
決して湿潤状態で人体プレス機の風圧によるテンション(引張)を与えながら伸ばすというリスクのある処理方法は取っていません。


裏地といえども、その形態変化で衣類のシルエットは左右されます。
着心地を左右するモノですので、ダブついたり、もたついたりするのは品質上良い事ではないと想像出来ます。
ですので、品質の良い衣類であれば計算された企画で裏地も採用されているのだと思います。
となれば、水洗い後の修正はキチンと丁寧に安全にしてあげなければ。

湿潤時(水で濡れた状態)に人体プレス機の風圧によるテンション(引張)をかけながら伸ばすよりも、じっくりと手アイロンで伸ばす方が繊維にとっては優しく安全だと僕は思っています。

良い品質の衣類には、やはり丁寧に手間暇かけたお手入れが必要となってくるのではないでしょうか。

※ 実例画像は全てクリックで拡大してご覧になれます。
(その他の画像は拡大しないものもあります)

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